「卵の食べ過ぎは体に良くない」といわれる一方でどんどん食べなさいという説もあるからスケプティクス(懐疑的)に論考

シェアする



スポンサーリンク↓

「卵の食べ過ぎは体に良くない」といわれる一方でどんどん食べなさいという説もあるからスケプティクス(懐疑的)に論考
「卵の食べ過ぎは体に良くない」といわれることがある。一方で、卵は認知症の予防に効果があり、どんどん食べなさいという意見もある。だったら食べたほうがいいのか、食べないほうがいいのか、はっきりして欲しい。スケプティクス(懐疑的)に考えてみよう。



まずは、そのものズバリ、『卵を食べれば全部よくなる』(佐藤智春著、マガジンハウス)という書籍がある。

著者は血液栄養診断士という。

著者は、人間が健康でいられるには、老若男女を問わず、たんぱく質がをどれだけ摂っているかであり、そのためにもっとも適した食材が、安くていろいろな食べ方ができて栄養のバランスが抜群の完全食である鶏卵がいいという。

鶏卵については、いろいろな栄養素を含む食材として否定する人はいないものの、食べ過ぎは戒められている。

たとえば、コレステロール値が上がるとか、前立腺がんの遠因になるといった話もある。

しかし、『卵を食べれば全部よくなる』は、それらの説をすべて否定するどころか、逆にそれらを予防するのだとまで述べている。

高齢者でも卵をどんどん食べなさい、むしろ高齢者で量質ともに食べ物を受け付けなくなった時だからこそ、バランスよく栄養を摂れる卵を食べなさいと説いている。

『日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる』(講談社)の著者である医師の渡辺信幸氏によると、

「僕が提案する基本ルールは、たった2つ。それは、肉・卵・チーズを積極的に食べること、そして、ひと口30回噛むこと。これさえ守れば、運動や食事制限も必要ありません」(渡辺信幸氏のブログより)

と述べている。

渡辺信幸氏は、赴任した沖縄県が日本一の長寿県から脱落してしまったことについて、「食事の本土化」によってメタボ化してしまったという。

メタボを防ぐヘルシーな食事といえば、肉を控えて野菜を食べる食事を思い出しますが、渡辺信幸氏は正反対に、「トンカツ、から揚げ、フライドチキンなど、揚げ物も避ける必要はありません。沖縄で人気のポーク卵なども最適」(『壮快』2015年3月号)としているのだ。

渡辺信幸氏が提唱しているのは、

肉(Meat)、卵(Egg)、チーズ(Cheese)の頭文字をとったMEC食を推進。

具体的には、肉200g、卵3個、チーズ120gを、1日のうち、どんな形でも構わないので食べる。

要するに、たんぱく質と脂質をしっかり摂取すればいいという考え方だ。

その中核として鶏卵が位置付けられている。

しかし、こうした説がでてくるのは、逆に見れば、巷間それだけ「卵の食べ過ぎは良くない」という見方があるからである。

食事からのコレステロール摂取が、直接的に血液中のコレステロール値を上昇させる

そこで、『日刊ゲンダイ』(2018年6月18日付)の連載、『役に立つオモシロ医学論文』で、著者の青島周一氏は、その問題に切り込んでいる。



スポンサーリンク↓

卵1日1個程度の摂取はむしろ適量か

青島周一氏は、英国循環器学会誌の電子版2018年5月21日付掲載の「卵の摂取量と健康への影響を検討した研究論文」を紹介している。

卵の摂取量と健康への影響を検討した研究論文

内容は、中国に在住している心臓病や糖尿病を有していない46万1213人(平均50.7歳)について、過去1年間における卵の摂取量をについて調査。

「毎日摂取」「週4~6日摂取」「週1~3日摂取」「月1~3日摂取」「ほとんど摂取しない」の5つの集団にグループ分けし、結果に影響を与え得る社会人口学的特徴や生活習慣などの因子で統計的に補正を行い、心臓病、脳出血、脳梗塞などの発症リスクが比較されたという。

その結果はこうだ。

 中央値で8.9年の追跡調査の結果、卵を毎日摂取すると、はとんど摂取しない場合に比べて、心臓病のリスクが11%、脳出血のリスクが26%、脳梗塞のリスクが10%、統計的にも有意に低下することが示されました。
 卵を食べることができる人は健康上の理由で医師から食事制限を受けていないなど、もともと健常者である可能性があり、この研究結果は必ずしも因果関係を示すものではありません。
 とはいえ、心臓病や糖尿病で治療中でなければ、1日1個程度の摂取はむしろ適量と言えるのかもしれません。

もとより、この研究は、前向き調査ではなく「過去の調査」であること、「毎日摂取」かそうでないかという調査で、1日複数の摂取があったのかどうか最初から調査されていないことなどから、鶏卵摂取と健康の関係を全面的に解明するものではない。

しかし、「卵を食べる」行為にあたる人々が、心臓病の、脳出血、脳梗塞の数字を減らしている、という結果は意義があり、さらに踏み込んで卵の意義研究を行う契機となることは間違いないだろう。

卵を食べれば全部よくなる
卵を食べれば全部よくなる

日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる (講談社+α新書)
日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる (講談社+α新書)

薬剤師のための医学論文の読み方・使い方
薬剤師のための医学論文の読み方・使い方



スポンサーリンク↓

シェアする