スケプティクスな科学者でもオタクでもない普通の人の疑似科学論考

血液型と性格の関係についてはダメ押し回答が出たが

血液型論争がまた話題になっている。血液型と性格の関係については決着、というよりダメ押しの答えが出たが、もうひとつの仮設、血液型と病気の関係が話題になっている。新仮説は、A型はすい臓がんになりやすく、0型はがんそのものになりにくいというものだ。はたしてそれは本当なのだろうか。
さきごろ、血液型と性格問題について調査発表があった。

九州大講師の縄田健悟氏(社会心理学)の調べで、2004~05年に日米の1万人以上を対象にした経済分野の意識調査で、血液型による差がなかった。そこで、縄田健悟氏は「液型と性格には関連憧なし」と日本心理学会の機関誌「心理学研究」に掲載したのだ。

それが、Yahoo!ニュースに出て話題になったわけである。

しかし、そんなことはすでに自明のことだった。

血液型で相性は決まらない
ぼくたちの相性は血液型では決まらないよ

血液型性格判断については、能見正比古・俊賢さん父子が、1970年代に流行させたものである。

彼らは、実在する政治家や芸能人など有名人を例に上げ、その血液型を根拠に、×型だから○○に向いている、△型と○型の相性が悪いなどと主張した。

実在する人物の経歴や生き方をあとづけで血液型らこじつけただけの稚拙な「分析」だったが、実在する人物
だけに衆愚はリアリティを感じたのだろう。未だにこの説の信者は少なくない。

しかし、『「血液型性格判断」の虚実』や『血液型性格判断のウソ・ホント』(ともにかもがわ出版)などで、プロ野球全選手や、全国会議員、1000人のタレントなどの統計を取り、そんな説は何の根拠もないことを示した。

それはもう、今から20年近く前のことである。

にもかかわらず、いまだにそんな研究が行われ、そしてその結果が大きなニュースになる。

日本人が、いかに血液型性格判断に夢中な衆愚であるかということだろう。

それはそうと、それを報じた『日刊ゲンダイ』(7月30日付)における長浜バイオ大教授の永田宏氏(医寮情報学)のコメントがいささか気になった。
「現在、血液型別で科学的に分かっていることは、かかりやすい病気の傾向くらいです。A型はすい臓がんになりやすく、0型はがんそのものになりにくいという研究結果があります」(永田宏氏)

まあ、たとえそうでも、それは統計上のことだろう。

つまり、A型でもすい臓がんにならない人や、O型でも癌になる人はたくさんいるということだ。

だいたい、日本で一番多いのはA型で、4割もいるのだ。しかし、日本で一番多いがんは肺がんである。

ソフトバンクホークスの王貞治会長もO型だった。最新の治療で5年無治療生存を勝ち取ったが、胃がんがリンパ節まで転移していた過去がある。

そうしてみると、統計でそういう傾向がある、ということは、個々人にとってどれだけの意味があるか。

もちろん、その血液型にはっきりとした病気の因子があるのなら、それは医学的にも重要な発見となる。

が、今の医学はそこまでは到達できていない。

いずれにしても、ゲノムの解読をし、遺伝子レベルで病気の可能性を見るキットが市販される現代だ。血液型性格判断などというレベルの低い遊びはもう卒業したいものである。



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