糖尿病とすい臓がん

糖尿病を診ている医師が、がんを見逃してしまうことも

糖尿病といえば、インスリンの病気。インスリンといえば膵臓。ということで、疑われるのは糖尿病とすい臓がんの関係。結論から述べると、糖尿病とすい臓がんには深い関係があるという話である。今回はその関係をスケプティクスに考えよう。糖尿病の人とそうでない人を比べた場合、糖尿病の人の方が1.2倍がんを発症しやすく、とくに膵臓がんや肝臓がんは約2倍、大腸がんは約1.4倍も発症リスクがアップするという調査が紹介されている。
『日刊ゲンダイ』(2015年4月15日付)に掲載されている「糖尿病でも笑顔で長生き」という連載がある。

著者の辛浩基医師によると、糖尿病がすい臓がんのリスクを上げるという。

その理由は、高血糖による酸化ストレスが細胞変異を招く、高インスリン血症ががんの発生に関わっているといったことが考えられているというのだ。

まあ単純に考えても、すい臓がんも糖尿病もすい臓の病気である。同じ臓器の病変なのだ。

糖尿病患者は、10年患うと、すい臓がんを発症する確率が50%高まるという報告がある。

また、逆にすい臓がんから糖尿病を合併させたり糖尿病を悪化させたりすることもあるという。

すい臓がんになると、突然糖尿病が発症することがある。がんがすい臓の内分泌機能に影響を及ぼし、インスリンがうまく分泌されなくなるためである。

辛浩基医師は、そうしたすい臓がんと糖尿病の関係について解説している。

前置きが長くなったが、『日刊ゲンダイ』(2015年4月15日付)に掲載されている「糖尿病でも笑顔で長生き」について引用しよう。

『日刊ゲンダイ』4月15日付

近年、糖尿病はがんと深い関係があることが分かっています。糖尿病の人はそうでない人に比べて1.2倍がんを発症しやすく、中でも、膵臓がんや肝臓がんは約2倍、大腸がんは約1.4倍も発症リスクがアップするという調査があります。
 なぜ、リスクが上がるのかについては、まだはっきり分かっていませんが、「高血糖になると酸化ストレスが高進して細胞の変異が起こり、がんの発生につながる」「インスリン抵抗性に伴う高インスリン血症が細胞の増殖を促進し、がんの発生に関わっている」などと考えられています。
 最近、当院で診ている患者さんにも、がんが見つかりました。女性患者のKさん(65歳)は、経口剤と食事療法でHbA1c(正常値6.2%未満)が「6.5~6.7%」としっかり血糖コントロールできていました。それが、ある時を境に血糖状態がだんだん悪くなってきたのです。
 1カ月に1回の検診で、HbA1cが7%18%19%と上がり続け、空腹時血糖値も「300mg/dl」(正常値110mg/dl未満)まで悪化。それまではインスリン治療が必要ないくらい良好な状態だったので、「これはほかに原因がある」とピンときました。
 しかし、レントゲンや超音波検査などを行っても、大きな問題は見つかりません。それでも、ひょっとしたら見つけにくい膵臓がんの可能性もあると考え、腹部CT検査を実施。すると、超音波検査では見つからないような小さな膵臓がんが見つかったのです。
 Kさんはすぐに手術を受けてがんを取り除くことができました。インスリンは膵臓でつくられているため、術後はインスリン治療が必要になりましたが、がんで命を落とさずに済んで胸をなで下ろしています。
 糖尿病の専門医が定期的に診ていても、患者さんが、がんで亡くなってしまうケースはたびたび起こります。もちろん、糖尿病の患者さんがすべてがんになるわけではありませんが、糖尿病を診ている医師が、がんを見逃してしまうこともあるので、患者さん自身も定期的に検診を受けるなど、注意しておく必要があります。


糖尿病と膵臓がんの関係が深いことがよくわかった。

しかし、見方によっては、糖尿病ならむしろすい臓がんの早期発見ができるという見方もあるだろう。

なぜなら、なんでもない人なら、HbA1cを定期的に調べるということはないだろう。

だから、解説に書かれているように、急にHbA1cが上昇することに気がつかない。

しかし、糖尿病なら、HbA1cや空腹時血糖値を定期的に調べているわけだから、その変化ですい臓がんを疑える機会があるわけだ。

いずれにしても、糖尿病患者は気をつけなければなるまい。

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