高濃度ビタミンC点滴療法

ビタミンCにがん細胞を殺してもらう

『日刊ゲンダイ』(2015年9月10日付)
高濃度ビタミンC点滴療法。数年前から話題になっている。ビタミンCをその人の体重とほぼ同じ数字のグラム数だけ点滴で投与して、そのビタミンCにがん細胞を殺してもらうという治療法である。日本では、美容系のクリニックだけでなく、アンチエイジングに取り組むクリニックでも行っている。
ビタミンCは、私たちが服用しているものとは違う。点滴で入れるために、防腐剤や香料などいろいろな混ぜものを一切排除しなければならないためだ。

すでに書籍やネットでは、高濃度ビタミンC点滴療法についてさんざん語られているが、体を悪くしてしまうような副作用はない。また、その支持者でなくても、抗がん剤の副作用軽減には役に立つかもしれないという医師もいる。

しかし、保険適用外のために、2万~3万円するので、「そんなに高いものなら、旅行に行ったり、美味しいものを食べたりする余生に使ったほうがいい」と、物は試しにも否定的な意見は少なくない。

では、高濃度ビタミンC点滴療法は、率直なところ、効くのか。

結論から述べると、いろいろ評価はあるが、がん治療は、現在の手術、化学療法(抗がん剤)、放射線の三大療法を凌ぐものはない。

東海大学では、再発の悪性リンパ腫患者に対する高濃度ビタミンC点滴療法が数年前に行われたが、施術者が宣伝材料に使わないところを見ると、あまり良い結果ではなかったのだろう。

もとより、こうした民間療法は、通常医療でさじを投げられた人が来ることが多いので、治療結果はあまり期待できないものだ。

ただ、施術者の一人である「三番町ごきげんクリニック」の澤登雅一医師の書籍によると、卵巣がんと悪性リンパ腫の患者が改善されたと書かれている。

もちろん、通常医療との併用であろうから、効果の程は分からないが、抗がん剤の効きやすいがん、すなわち悪性リンパ腫、卵巣がん、睾丸癌などには、もしかしたら何か効果はあるのだろうか。

後に述べる柳澤厚生医師の著書によると、初めて高濃度ビタミンC点滴療法を施術したのは、悪性リンパ腫の患者だったという。

試験管実験でも、悪性リンパ腫の細胞が、もっとも低い濃度で、ビタミンCに反応したという。

さて、『日刊ゲンダイ』(2015年9月10日付)には、「今押さえておきたいがん治療」という連載で、高濃度ビタミンC点滴療法が紹介されている。

患者は、末期の胃がんである。

 末期がんで打つ手がなくなった時、どの“道”を選ぶかは、その人が“どう生きたいか”につながる。神奈川県在住のAさん(61)は、「とにかく、耐えがたい痛みを取ってもらいたかった。“治療”という考えは全くなかった」と話す。
 Aさんは46歳の時、ステージⅡの胃がんが見つかり、手術と抗がん剤治療を受けた。6年後の2006年には、肝臓に多発性転移が認められた。Aさんは抗がん剤を使用せず、温熱療法や食事療法などの自然療法を受けた。
 翌年、全身の骨転移で歩けなくなった。さらに翌年、主治医から「治療法はない」とホスピスを勧められた。
「そんな時、痛みの改善に役立つ高濃度ビタミンC点滴療法について知ったのです」
 Aさんを診察した「スピックサロン・メディカルクリニック」(神奈川・鎌倉)の柳澤厚生院長が言う。
「初診時のAさんは体重22㌔で、1~2週間で最期を迎えてもおかしくない状態。当初別の入院できる病院を勧めましたが、ご本人の希望で高濃度ビタミンC点滴療法を行うことになりました。ただ、回復の期待は持てませんでした」
 高濃度ビタミンC点滴療法は、米国で始まった治療法だ。米国立衛生研究所、国立がん研究所、米食品医薬品居は「高濃度のビタミンCはがん細胞を殺す」という内容の複数の研究結果を医学雑誌に共同発表している。
 また、アイオワ大学はすい臓がん、カンザス大学は国立衛生研究所とともに卵巣がんへの治療効果を発表。日本でも東海大学医学部などが研究に取り組んでいる。
「ビタミンCを点滴で体内に投与すると強力な抗酸化作用を発揮し、大量の過酸化水素を発生します。正常な細胞は過酸化水素を中和できるが、がん細胞は中和できずに死んでしまう。ビタミンCは高濃度でも水溶性なので体外に排出される。副作用の心配がなく、抗がん剤の副作用を減少させることも明らかです」
 経口投与だと、血中のビタミンC濃度は高くなっても、すぐ排出されてしまう。しかし、点滴で投与することで、はるかに高濃度な状態を長時間保つことができ、それががんを効果的に数す。
 前出のAさんは、約1カ月で痛みが消失。2カ月後には家事を普通にこなせるようになり、22㌔だった体重が現在は42㌔まで増えて“普通の生活”を送っている。
「高濃度ビタミンC点滴療法だけで末期がんが治るとは言えない」と柳澤院長は指摘。しかし、がんによる痛みや抗がん剤の副作用を改善することには有効だという。
「副作用がなく、最期まで元気に過ごせる意味はとても大きいです」
 ただし、保険適用ではないので、高額な医療費がかかる。高濃度ビタミンC点滴療法だけで1回2万~3万円、これを週1~2回受けることになる。


ただこれは、やはり稀なケースだろう。

臓器がんは、抗がん剤が効きにくいという。

末期の胃がんで転移があることは、高濃度ビタミンC点滴療法へ行けばいい、ということにはならない。

ただ、あらゆることにチャレンジしたいという場合、高濃度ビタミンC点滴療法をアタマから否定することもできない。

なんでも納得できるようやってみたらいいと思う。

これは民間療法を推奨するという意味ではなく、がん治療という絶対的な治療がないものは、そういうオプションを自己責任で認めてもいいだろうという話である。

ちなみに、澤登雅一医師の書籍のことを書いたが、その時点で生還者は2人だったわけだが、もしかしたら、この記事の筆者の母親が3人目の生還者かもしれない。

筆者の母は、7年前に再発悪性リンパ腫で、3年間高濃度ビタミンC点滴療法を受けている。治療をやめて4年になるが、現在も再発していない。

【関連記事】
超高濃度ビタミンC点滴療法と断糖食事療法を同時に
今、注目の超高濃度ビタミンC点滴療法

今、注目の超高濃度ビタミンC点滴療法

  • 作者: 水野 芳春
  • 出版社/メーカー: 日本文芸社
  • 発売日: 2013/06/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

↑スポンサードリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加

高濃度ビタミンC点滴療法の真相関連ページ

入院費用と看護師の関係
風邪とクローン病の微妙なハザマ
肺がん手術で注目横浜市大市民総合医療センター
スキルス胃がん、化学療法手術前投与で新たな治療法
抗がん剤を使うな論、は正しいのか
大腸がん、進行がんでも単孔式腹腔鏡手術
心臓突然死、予知や予防はしっかりと把握を
がんは遺伝するのか?その結論が明らかに
慢性炎症は万病のもとという話
脳梗塞、真夏日猛暑で1.7倍リスク
遺伝より生活習慣が大事という研究
胃のはたらき、夜中に食べて胃もたれする理由
尿路結石、コーラは×、コーヒー・紅茶は○
ピロリ菌除菌で胃がん、マルトリンパ腫原因消える
虫歯はがんになりにくく歯周病は逆になりやすい
PM2.5と発がん性の真相
胃を守る食べものはこれだ!
星野式ゲルソン療法、5年生存率0%から生還!?
マイクロアレイ検査、膵臓がん早期発見にも有用
肺がん、2週間咳が続いたら医師の診断を
認知症をスケプティクスな観点からみるアンケート
白内障、遠くも近くもよく見える多焦点レンズ
C型肝炎、新薬で完治する時代と話題になっている
心臓病や血管ボロボロに和温療法が期待されている!
腎がんの治療、ロボット支援で内視鏡部分開腹へ
糖尿病とすい臓がんの深い関係
光線免疫療法、がん僕滅の切り札になるか
超高濃度ビタミンC点滴療法と断糖食事療法を同時に

医療最新情報 健康食品懐疑 ヒートショックプロテイン 湿潤療法 緑内障