腎がんの治療

腎臓を残したまま社会復帰

腎がん(腎臓のがん)。腎臓に発生する、腎細胞がんと腎盂がんの創傷である。従来は開腹して、腎臓をまるごと切除するのが標準治療だった。それが、腎細胞がんならロボットを使った腹腔鏡手術で、切除も部分的に行うという新しい処置が最近注目されているという話である。それによって、体にも負担が少なく、腎臓も残したまま社会復帰できる道筋ができたというわけだ。その内容については、『日刊ゲンダイ』(2015年3月6日付)が「先進医療ガイド」という連載の中で明らかにしている。
世の中には、肝心要という言葉がある。文字通り、もっとも大事なものという意味だ。実はこの言葉、以前は「肝腎要」と、「心臓」ではなく「腎臓」が使われていた。

実際に、肝臓と腎臓が弱っていなければ、がん治療など侵襲性のある治療にも耐えられると医師は判断する。

では具体的にどのような役目を体内で果たしているかというと、肝臓は体内に入った毒を解毒化し、腎臓はそれわ濾過して血液と尿に分けるのだ。

つまり、肝臓と腎臓が健全なら、体に毒が入っても、ちゃんと体外に出せるというわけである。

ところで、がんは全身に出来うるが、腎臓にもできる。腎臓のがんは腎がんというが、腎がんは、抗がん剤や放射線ではなく、手術で切除する治療を行う。

血管の塊のため、その治療が採用されるのである。

しかし、腎がんの手術の場合、従来は2個ある腎臓のうち、がんのある方の腎臓をまるごと1個切除していた。

血管の塊である臓器だから、縫合がむずかしいかったからである。

しかし、全摘となれば残る腎臓はひとつ。当然、従来よりも腎機能は低下する。

そのために、心臓や脳血管の病気のリスクが高まるといわれている。

できるかならば、腎がんはがんの部分だけ切除し、腎臓の正常な部分は残しておきたいのである。

また、これは腎がんに限らないが、臓器の切除となると開腹手術になり、これも患者に負担をかける。

胃のように内視鏡を使った腹腔鏡手術なら患者の負担は減る。

そこで、『日刊ゲンダイ』が紹介しているのは、腎がん手術用に使う支援ロボット「ダ・ヴィンチ」だ。

ダ・ヴィンチを使うことで、腹腔鏡手術で、腎がんは部分切除が実現するというのだ。

患者はこれによって、手術そのものに対する負担が減る。術後の退院が早まる。筋肉などを切っていないので、退院後の生活も術前に近いものが望める。

そして何より、腎臓をまるごと切除しないので、正常な部分の腎臓はこれまで同様働き、二次的な疾病の可能性も減るわけである。

要するに、今までに比べていいこと尽くめである。

ということで、記事から引用しよう。

腎がんのロボット手術

腎臓は腹部に左右1つずつある臓器で、血液をろ過して尿を作る働きがある。ここにできる腎がんは、抗がん剤や放射線が効きづらいため、腎がんの治寮の基本は手術だ。
 従来はどんな小さな早期腎がんも、丸ごと切り取る全摘手術が行われてきた。腎臓は血管の塊で、部分切除するためには、切ったり縫ったりすることが難しかったからだ。
 ところが、早期腎がんの治療成績は、部分切除でも全摘でも変わらないことが証明された。また、全楠による腎機能の低下が心臓や脳血管の病気のリスクになることがわかり、いまや部分切除が早期腎がんの標準治療となっている。
 そこで注目されているのが、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を便って腎臓を部分切除する内視鏡手術。ロボット手術のパイオニアである、聖路加国際病院泌尿器科の服部一紀部長が言う。
「この手術法が素晴らしいのは、開腹手術でしかできなかった手術が、内視鏡でできるようになったことです。しかも、ロボット手術用のプローブと呼ばれる装置により、体内で超音波検査ができるため、組織に埋もれたがんを見ることができる。また、体の中の画像は立体的に映し出され、紺子を持つアームは多くの関節がついてあらゆる方向に動く。手術がやりやすくなりました」
 例えば、開腹による部分切除手術を行う場合、腎がんの大きさが1㌢であっても、脇腰には10~20㌢の傷痕が残る。これは“割の合わない手術”だ。
「しかも、体を支える腹筋を傷つけるため、手術後に体を起こしたり、歩いたりした時、障害が残るリスクがあったのです」
 また、ロボット支援ではない従来の内視鏡手術は、体に数カ所の穴を開け、悪くなった臓器を取り出すギリギリの大きさだけお腹を切り開く。これは難易度が高い。
「通常の内視鏡の画像は平面で、体の中に差し入れた紺子の方向がわかりづらい。しかも構造上、体内で自由に鉗子を動かすことができません。そのため切除や縫合に時間がかかります。腎臓は血管の塊で、阻血後30分以内にがんの切除・縫合を行わないとダメージを受けるため、よほどの熟練者でないと、腎がんの部分切除を行うのは難しいのです」
 新しい手術法は、こうした欠点を補って余りあるという。
「がんが切除しづらい場所にある時は、紺子を使って腎臓の脂肪を剥ぎ取り、がんを手術しやすいポジションに変えることもできます。また、手術時間が通常3時間のところが2時間で済むくらい短縮される上、手術後の動作も入院前と変わりなく行えます」
 ただし、どんな腎がんでも通用になるわけではない。
「対象となるのは腎細胞がんで、腫瘍が7㌢以下、リンパ節・遠隔転移のない早期がんです。尿の通り道である“腎盂”にできたがんは、勝胱などにもがんができている可能性があるため、基本的にこれは除きます。また、開腹手術の経験があり、癒着が見つかった場合も難しいかもしれません」
 なお、この先進医療は聖路加国際病院を含め全国10の施設で合計100例を目指して行われ、2月下旬にその数が
達したとして先進医療扱いが終了。現在、自由診療として行われている。
 同病院での費用の目安はおよそ95万円(8日程度の入院・個室料金も含む)だ。


腎がんの年間発生患者数は10000~12000人。年間死亡数は3000人ぐらいといわれている。

交通事故ぐらいの確率だが、誰にとっても絶対はない。

もしもの場合に、覚えておきたい手術法である。

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