C型肝炎

治る時代だから知っておきたい飲み薬

C型肝炎といえば、国内で約3万人が亡くなっている肝がんの80%を占めるといわれている。原因はウイルス(HCV)にあり、それが感染している人の血液が他の人の血液の中に入ることで感染する。多くは医療器具や輸血などが原因といわれている。15日~160日の潜伏期間で、そのうち7割が初期症状がほとんどないまま慢性の肝炎に移行する。ただし、空気感染や経口感染はない。
C型肝炎は、冒頭に述べた通り命も脅かす病気だが、治療によって高い確率で肝臓がんを防げるようになっている。国内に約100万人もいるといわれるC型肝炎が、飲み薬だけで完治する時代に向かっている、というのは『東京スポーツ』(2015年1月23日付)の記事である。虎の門病院分院の熊田博光分院長の談話をもとに構成している。

従来、C型慢性肝炎やC型代償性肝硬変の治療というと、インターフェロンがおなじみである。インターフェロンというのは、肝細胞に直接はたらきかけ、ウイルスを排除したり、肝炎の症状軽減や進行を遅延させたりすることができる。

しかし、インターフェロンの治療は厳しいといわれ、副作用によって治療を中止する人も絶えなかった。

どうやったら治療を中止せず奏功させることができるのか。なかなか見通しが立たず、「暗黒の時代」もあったという。

それが、2014年、「ダクラタスビル」と「アスナプレビル」という新しい飲み薬による2剤併用療法が登場。

熊田博光分院長らで最終臨床試験も行われ、治癒率84.7%という高い成功率を収めたのだ。

記事には、そういった経緯が書かれている。

『東京スポーツ』2015年1月23日付

「C型肝炎は昨年の9月から2剤の飲み薬を服用するだけで85%も治る時代になりました。つらい副作用で苦しんだインターフェロンによる治療を受けた患者さんは、涙を流して喜ばれます。私も感無量です」
開口一番、熱い思いを話すのは虎の門病院分院(川崎市高津区)の熊田博光分院長(67=岐阜大・医卒)。C型・B型肝炎治療の第一人者である。
 C型肝炎の原因はC型肝炎ウイルス(HCV)。血液を介してHCVに感染すると15~160日程度の潜伏期間を経て急性肝炎を起こす。約30%の人は自然にウイルスが消え、約70%の人は慢性肝炎に移行する。C型肝炎患者は150万~200万である。
「慢性肝炎をそのままにしておくとどうなるのか。私たちの病院での1999年の1192例の患者さんのデータでは10年で12%、15年で25%の方が肝がんになりました」
 肝がん患者を減らすにはC型肝炎を治すのが重要なポイント。92年に登場したのが薬剤のインターフェロンを使った単独治療。インターフェロンはウイルスの増殖を抑える働きがあり、もともと体で作られるたんばく質。それを体外から補うのがインターフェロン治療である。
「C型肝炎が半年間の治療で30%も治る。〝これは画期的″と私たち医師は恩いました。ところが、一般の方々は〝あんなに副作用が強く、つらい思いをしても70%は無効だ″と受け止められました」
それから数年聞、C型肝炎治療は〝暗黒の時代″。2001年にインターフェロンの作用を強めるリバビリンが、04年に新しいタイプのペグインターフェロン、そして、11年にはウイルスの増殖を抑えるプロテアーゼ阻害薬が登場。確実に治療効果はアップ。それでも、高熱、うつ状態といったつらい副作用のあるインターフェロンとの併用療法だ。
 それに終止符を打ったのが14年に登場した飲み薬の「ダクラタスビル」と「アスナプレビル」の2剤併用療法。熊田分院長が中心となって最終の臨床試験が行われた。インターフェロンの使えない人が135人、インターフェロンを使ってもウイルスがまったく減らなかった人が87人の合計222人に2種類の飲み薬だけで半年間の治療を行った。
「222人中188人が治ったという結果になりました。治癒率84.7%です。もう昨年9月から治療の最前線となっています。インターフェロンから解放されて飲み薬だけで治る治療は、患者さんにすごく注目されています」
 C型肝炎治療薬の進歩はとどまるところを知らない。「今年、来年と95%、99%治癒する薬が認可される予定です。10年先になるとC型肝炎が5日くらい薬を飲めば治ってしまうレベルになるかもしれません」
 まさにC型肝炎が治る時代になった。それは、肝がんの死亡者をグンと減らすことをも意味しているのである。


今回の新しい飲み薬によって、低い治療効果と、つらい副作用から解放されたのは大きい。

ただ、この薬は医療機関において、遺伝子検査によって薬が効くか効きにくいか(薬剤耐性遺伝子検査)を調べることになっている。それでよい結果が出た時に、肝臓専門医の指針で施療することが求められている。

そういう意味では、C型肝炎全員に貢献できるわけではないが、それでもこれまでのことを考えれば大きな進歩だろう。

おそらくは、どんな病院でもこの飲み薬の話は出てくると思うが、そうでない場合、患者側から相談してみるのもひとつの方策だ。

「ダクラタスビル」と「アスナプレビル」の2剤併用療法。頭のなかに入れておくといいだろう。

↑スポンサードリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加

C型肝炎、新薬で完治する時代と話題になっている関連ページ

入院費用と看護師の関係
風邪とクローン病の微妙なハザマ
肺がん手術で注目横浜市大市民総合医療センター
スキルス胃がん、化学療法手術前投与で新たな治療法
抗がん剤を使うな論、は正しいのか
大腸がん、進行がんでも単孔式腹腔鏡手術
心臓突然死、予知や予防はしっかりと把握を
がんは遺伝するのか?その結論が明らかに
慢性炎症は万病のもとという話
脳梗塞、真夏日猛暑で1.7倍リスク
遺伝より生活習慣が大事という研究
胃のはたらき、夜中に食べて胃もたれする理由
尿路結石、コーラは×、コーヒー・紅茶は○
ピロリ菌除菌で胃がん、マルトリンパ腫原因消える
虫歯はがんになりにくく歯周病は逆になりやすい
PM2.5と発がん性の真相
胃を守る食べものはこれだ!
星野式ゲルソン療法、5年生存率0%から生還!?
マイクロアレイ検査、膵臓がん早期発見にも有用
肺がん、2週間咳が続いたら医師の診断を
認知症をスケプティクスな観点からみるアンケート
白内障、遠くも近くもよく見える多焦点レンズ
心臓病や血管ボロボロに和温療法が期待されている!
腎がんの治療、ロボット支援で内視鏡部分開腹へ
糖尿病とすい臓がんの深い関係
光線免疫療法、がん僕滅の切り札になるか
超高濃度ビタミンC点滴療法と断糖食事療法を同時に
高濃度ビタミンC点滴療法の真相

医療最新情報 健康食品懐疑 ヒートショックプロテイン 湿潤療法 緑内障