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患者への負担が少ない画期的手術

大腸がん。文字通り大腸(盲腸、結腸、直腸、肛門)に発生するがんです。アメリカでは3番目に多いがんと言われ、日本でも食事の欧米化で最近は増えてきました。腸の手術といえば、わざわざお腹を裂かなくても、内視鏡や腹腔鏡による手術が知られています。最近では、腹腔鏡手術よりもさらに負担が少ない単孔式腹腔鏡手術(単孔式内視鏡手術)というのも試みられています。
そもそも腹腔鏡下手術とは、腹に3~4か所の小さな穴をあけ、腹腔鏡というカメラと手術器具を挿入。カメラの映像を見ながら器具で切除していく手術です。単孔式腹腔鏡下手術はそこからさらに進んで、開ける穴をたった1箇所で済ませるものです。

「東京スポーツ」(7月4日付)では、単孔式腹腔鏡下手術に積極的に取り組む昭和大学消化器・一般外科の渡辺誠講師に話を聞いた松井宏夫氏の記事があります。

東京スポーツ・大腸がん
増え続ける大腸がん。早期がんであれば体にやさしい内視鏡治療があるが、進行がんになってしまうと手術が基本。しかし、その手術にも、今では体にやさしい腹腔鏡手術が広く行われるようになった。さらに、腹腔鏡手術よりも傷が少ない「単孔式腹腔鏡手術」が少しずつ広がりを見せている。今回は、その単孔式腹腔鏡手術に力を注ぐ名医の登場!!(医学ジャーナリスト・松井宏夫)
〝体にやさしい手術″に力を注いでいるのは、昭和大学病院(東京都品川区)消化器・一般外科。食道、胃、肝臓、膵臓、胆のう、大腸などの手術に、刺し傷だけで行う胸腔鏡・腹腔鏡手術に徹底して取り組んでいる。
 その中の大腸では、大腸がんの手術に腹腔鏡に加え、さらに体への傷が少ない「単孔式腹腔鏡手術」も行っている。
「大腸がんに単孔式腹腔鏡手術を私たちが始めたのは2010年3月からです。教授が行って、私が始めたのは同年9月からです。それ以降、私が中心で行っています」
 と言うのは消化器・一般外科の渡辺誠講師(42=昭和大・医卒)。渡辺講師が力を注いでいる単孔式腹腔鏡手術は、通常の腹腔鏡手術とどこが違うのだろうか。
「通常の腹腔鏡手術は、腹部に0・7~1㌢程度の穴を4~5か所開けて、そこから内視鏡や手術器具を刺し込んで手術を行います。単孔式の場合はその穴が1か所だけ。それもおへそを約2・5㌢切るだけです。他に傷はつきません」
 単孔式腹腔鏡手術に用いる基本的な手術器具は、2・5㌢の切開部に軟らかい素材でできたポートをセッティングする。
 これは切開部を保護し、手術器具を挿入しやすいように工夫されている。内視鏡と手術器具など太さ5~12㍉の物が3本挿入でき、それぞれが干渉し合うことなく操作ができるような工夫を渡辺講師が独自に考案し、手術を行っている。
 術者である渡辺講師が手術器異を操作し、内視鏡の操作は助手が行う。手術時間は通常の腹腔鏡と違いはなく、約2時間。
 ただし、大腸がん全てに対応できるのではない。
「私たちが単孔式で行っているのは右結腸切除術です。つまり、上行結腸にがんができたときです。そのときに、小腸を少しと上行結腸を穴から外に出して、がんから上下10㌢ずつ離して切って縫合します。外に出して行うのは、大腸なので腹腔内が便で汚染される心配があるからです」
 昨年の昭和大学病院の大腸がん腹腔鏡手術数は170例と多い。が、単孔式は上行結腸がんが対象なので、昨年までで約60例。その85%が完全な単孔式ででき、残り15%は1つ穴を増やして行った。
 このように行われる単礼式のメリットは-。
「おへその傷だけで済みます。この美容的に優れている点が全てでしょう。傷とはいえ、おへそに傷が隠れてしまいますので、ほとんど傷は分からないといえます」
 大腸がんは40代、50代といった女性にも多いので、やはり美容面は気になるところ。
 「単孔式での手術を受けた患者さんは、傷が見えないことで大変喜んでもらえます」
 傷がなければないに越したことはない。
 「大腸がんの多い直腸、S状結腸も単孔式というオブションを持てるよう、日々努力していきます」
 大腸がん全体に、手術をしたと分からない時代が到来するのである。


お腹を裂かないことで、肉体的な負担が全く違うことが大きいでしょう。お腹を開けば外気に触れますから、どんな感染症にかかるんわからないし、化膿しないようにする薬もずっと多くなります。もちろん傷が塞がり退院できるまでの日数も違います。

以前、ソフトバンクの王貞治会長が胃の腹腔鏡手術をした頃は、まだめずらしい手術でしたが、医学・医療の進歩は休むことがありません。

単孔式腹腔鏡手術は、今後さらに症例を増やすことで、安全性、患者への負担、手術時間などがさらに向上することでしょう。
健康情報・本当の話

健康情報・本当の話

  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

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