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手術前に化学療法を行う臨床試験

スキルス胃がんという未分化がんがあります。今や胃がんはピロリ菌が犯人であるとの説がほぼ定説で、健康診断による早期発見によって5年生存率は飛躍的に進歩。“治せるがん”に入りましたが、スキルス胃がんだけは治療は困難と言われます。
そこで、それを改善すべく、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の胃がんグループの研究事務局であるがん・感染症センター都立駒込病院外科(胃)の岩崎善毅部長は、化学療法『TS-1』と『シプラチン』を手術前に投与してがんを小さくして沈めてから手術をするという治療法を提案しています。

『夕刊フジ』(2013年5月1日付)から引用します。

『夕刊フジ』(2013年5月1日付)

ピロリ菌の除去や内視鏡検査の普及などで、年々死亡者数も患者数も、減少傾向にある胃がん。早期に発見すれば、98%程度の人は治ると言われ、医学は確実に進歩している。
 ただし、胃がん患者の約1割を占める感性度の高いスキルス胃がんは、早期発見がいまだに難しい。胃の粘膜の下側、胃壁の中を、はうように増殖するため、粘膜の表面を映す内視鏡では発見しうらいのだ。胃の形が土管のように変形し、エックス線検査(バリウム検査)で発見されたときには、進行が著しく、治療は困難を極める。
 そんなスキルス胃がんや、進行胃がんを克服すべく尽力しているのが、がん・感染症センター都立駒込病院外科(胃)。厚労首がん研究助成金指定研究班を中心とした日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の胃がんグループの研究事務局でもあり、臨床試験を含む最先端の研究を行っている。
 「進行した胃がんも含めて、7割は治る時代と言われる中、スキルス胃がんは治りにくい。この状況を変えるには、たった一人の力ではなく、オールジャパンの総合力で立ち向かうことが重要なのです。その成果は現れつつある。スキルス胃がんと診断されても、決して諦めないでほしい」
 こう話す同科の岩崎善毅部長(53)=写真=は、胃がん治療のスペシャリスト。傷の小さな腹腔鏡下手術も積極的に行い、術後の合併症を回避すべく、胃の出口の幽門(ゆうもん)を残す「幽門保存胃切除」などにも取り組む。一方で、病理部門に携わった経験もあるため、抗がん剤などの化学療法を組み合わせた治療の効果判定なども得意としている。
 そんな長年の冒がん治療の経験を生かし、JCOGでは、各メンバーとスキルス胃がんに対して、手術前に化学療法を行う臨床試験を進行中だ。
 「日本で開発された飲み薬の抗がん剤『TS-1』と、注射の『シプラチン』を組み合わせて手術前に授与することで、スキルス胃がんを治せる道が開かれ始めています。進行がんの再発や、手術が不可能といわれた状態でも、新たな治療法が開発されつつあるのです」(岩崎部長)
 薬や医療機器の開発は、欧米が先行している。しかし、胃がんについては、欧米の患者割合が少ないため、日本の胃がん治療は世界を牽引(けんいん)する力を持つ。臨床試験で結果を出すには、多くの医師と患者の協力が不可欠。安全で確実な治療の確立のため、オールジャパンでステップアップ中だ。
 「近い将来、新たな治療法が榛準治療となり、スキルス胃がんや進行胃がんを治せる時代が来るでしょう。治せない病気をひとつでも治せるようにしたい。患者さんと一緒に克服できるようにしたいと思っていま」と岩崎部長。
 命をつなぐために、あらゆる力を発揮して挑み続けている。(安達純子)


多くの医師や医療機関が力を合わせて、是非いい方向にいっていただきたいと思います。
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